ドキュメンタルは松本人志だけでなく出場芸人の実験でもあるかもしれない
※この記事にはこれまでのドキュメンタルのネタバレが若干含まれます
そろそろ皆さんの中でシーズン7を見終わってない方が少なくなってきたのではないかと思います。
今シーズンもなかなか見ごたえがありましたね~
意外とザブングル加藤がアグレッシブでしたね(良くも悪くも)
個人的には鬱陶しく感じつつも1周周って笑えて来ましたが他の人の邪魔だけはしてほしくなかったですね。
さて、こんなドキュメンタルですが番組のキャッチコピーとして
「松本人志の実験」
とあります。
10人の芸人が100万円を持ちより密室で死闘を繰り広げる。
もともとは松ちゃんがガキ使の「笑ってはいけない」の本気バージョンをやりたいという願望から始まった企画です。
ドキュメンタルにおける「実験」的要素は大きく2つに分かれていると考えます。
1つは出場芸人の行動。
パイロットシーズン以外は道具の持ち込みが可能であらかじめ対策は出来ますが自身の100万円がかかっているためそう簡単に笑ってはくれません。
また、終盤になるにつれて用意してある笑いのストックが尽きたり通用しなくなり何も手が打てなくなる状態になります。
そのような時に芸人はプロとしてどうするのか。
その場の空気を読むのか、または狼狽するのみか、はたまた奇怪な行動に出るのか。
それを松本人志が別室で傍観するのみという冷静に見るとなかなかブラックな企画であることが分かります。
2つ目は笑いのルールについて。
各シーズンそれぞれの結果から今後のドキュメンタルにも影響しており、シーズンが進むごとにルールが改訂されたり、新要素が加えられたりと現在進行形で進化しているのが分かります。
パイロットシーズンでは持ち込み不可、与えられた環境の中時間無制限で戦うようにしましたが決着がつかないどころかグダグダになってしまいました。
そこで今度はきっちりと6時間という制限時間を決めて追い込みがかけられるようにし、道具の持ち込みで芸人それぞれの個性が出せるようになりました。
持ち込み不可の中でジミーちゃんがどう動くかも気になりますがね…………
しかし、それでも決着がつかずシーズン2でポイント制を導入しました。
これのおかげではっきりと優勝者が出てくるようになりました。
ついでに小窓というシステムで一発出オチの芸も出来るように笑いの幅が広がりました。
…………などなどと間違いなく改良が重ねられています。
あまり長々と書くのもあれなんでこれくらいにしますけどこれ以降も
- ゾンビタイム導入
- 助っ人システム導入
- スマホの使用可
といったルールが追加されていきました。
この実験は松ちゃんがトップで成り立っているためにルールもまた松ちゃんに従わざる負えないのが問題点ではあります。
それゆえ誤審等反感を買うこともしばしばです。
このようにドキュメンタルは松ちゃんが笑いと向き合うための企画であることはわかりました。
しかし、それは松ちゃんに限らず出場芸人もまたこの実験を生かしていることに気が付きました。
特に顕著だったのが2018年の大みそかで放送された「ガキの使い」ですね。
そこでは
といったドキュメンタルでも評判の高いネタが採用されていました。
それ以前にも確かロバート秋山の身体モノマネでパスタを食べるやつも採用されていた気がします。
松ちゃんの友人であり、ガキの使い、ドキュメンタルの両方に参加しているスタッフの高須光聖がいることもあり採用されたのかも知れません。
また、「笑ってはいけない」以外でも
など普段のお笑いネタに昇華する例もありました。
きっと視聴者の評判が良いのはもちろん、別室で松ちゃんが「ガハハ」と笑ってくれることが「松ちゃんのお墨付き」と捉えてネタに採用したのかもしれません。
ドキュメンタルの会場は真剣勝負の場でなかなか笑ってはくれません。
ですがその反面自身の持ち味を惜しみなく出せる場所でもあります。
また、笑わす相手は同業者ですから今まで見たことのない新ネタを出さざる負えない部分もあると思います。
もしかしたら出場芸人の中には今後やろうかと思っている新ネタをこの場で試している人もいるのかもしれませんね。
そのような意味ではドキュメンタルでの「実験」というのは松ちゃんだけのものではないのかもしれませんね。
この芸人の有様をドキュメントのように見守ることのできるこの企画。
次のシーズンも楽しみに待っています。