いろえんぴつの日記

絶対に毎日更新ができないブログです。

ボロボロのベースを推しのベースに改造してみた。

 

 

0. はじめに

数ある長期休暇の中で春休みが一番長いかと思います。

大学生はこの時期基本的に暇なんですね。
ここで多くの大学生は

 

  1. 部活やサークルに精進する
  2. アルバイトで稼ぎまくる
  3. 留学や旅行で海外に行き意識高くなる

 

といったことをするみたいですが、僕はというと

 

  1. サークルの頻度めっちゃ低い(むしろそれがいい)
  2. バイトやりたくない
  3. バイトしてないからそんな金ない

 

という風にとても意識が低い人間なんです。
時間はあるが金は無い。若手芸人みたいなことになってます。
どうしましょう。
そう思いながらいつものようにカートゥーンを観ていたら……

 

 

(アドベンチャータイム / シーズン3 エピソード23『僕の大切なもの』より)

 

 


あ…

マーセリンのベース欲しい……!!!!!!

 

いいな、欲しいな。
ベース始めて1年くらい経つからそろそろもう1本あってもいいよね?
将来的にコスプレにも使えそうだしいいんじゃね?
そうと決まれば実行です。

 

今回の目標としては

 

  • できる限り本編のやつに寄せる
  • なるべく安く済ませる

 

といった感じで進めていきたいと思います。
こうして有り余る時間を使い自分を奮い立たせやったこともない楽器改造を始めるのでした。

 

1. 情報・材料収集

まずはどうやって斧の形にするのか考えなければいけません。
とりあえず「ベース 斧」と検索してみました。
すると『 Cort GENE SIMMONS AXE-2』というものがありました。

 

www.youtube.com

 

かの有名なロックバンド「KISS」のジーン・シモンズが斧型ベースを使っているみたいです。
KISSについてはハッチポッチステーショングッチ裕三が『Detroit Rock City』と『おなかがへるうた』をミックスした歌を聴いたくらいなので初めて知りました。
しかし、残念ながらこの形は片側にしか切れる部分がついていないのでこれをそのまま使うことはダメでした。
というか買うにしても高くつきそうですし夜道にKISSの過激ファンに刺されるかもしれません。
他の方法を探しましょう。

 

次に「マーセリン ベース」で検索してみたらYouTubeにこんな動画がありました。

www.youtube.com

 

先駆者がいました。たった今ここで二番煎じになりました。
奇跡です。この地球上に同じことを考えている人がいたなんて。
早速動画を観てパク……参考にしていきましょう。

 

動画の内容をざっくりとまとめると

 

  1. 素材のベースを四角く切って横に板をつなげる
  2. 本体を斧の形に切り取る
  3. 塗装をする
  4. 組み立てて完成

 

という感じでした。
なるほど、特別な材料は必要なさそうですね。
ベースも普通のでいいみたい。安心。

 

それでは材料を集めて生きましょうか。
まずは今回の要となるベースを調達します。
動画の方では手作りベースキットを使っていて十分安いんですがもっと安く済ませるためにとある楽器屋さんに行きました。

 

 

 

はい、一部マニアから絶大な支持を受ける楽器屋さんです。
ここで狙うのは「ジャンク品」という要修理ではありますがその分安く買える商品です。
楽器に限らずパソコンや家電など幅広い品ぞろえです。

近所の店舗を数軒周りました。
3000円以内に収まればいいなぁ……………………

 

 

 

 

 

 

……………………あ

 

素敵な子を見つけました。
持ち帰りましょう。
(自転車のカゴに無理やり入れて帰ったので周りの視線が痛かったです)

 

 

無事に持ち帰れました。
それでは御開帳~

 

 

外見がやべぇのはさておき、FERNANDES FRB-40です。
(詳細:http://www.sonicsystem.co.jp/sonix/archives/46313
中古で1万円程度で販売されている入門用のベースでしょうかね

 

改めて状態を確認すると…………

 

 

明らかな地雷臭がしますが他にも

 

  • ボディの右側が木部までえぐられてる
  • ピックアップの片側の音が出ない
  • トーンノブが死んでる
  • ブリッジやペグなどの金属部分汚い&錆びてる

etc...........

 

などとかなりの重傷を負ってる子だということが分かりました。
どうしてこうなった。放置だけでこうなるとも思わないけど。

気になるお値段ですが……………………

 

 

 

2160円でした。(1000円でよくね?)
本来ジャンク品は状態が記された緑色の値札が貼られるんですがそうゆうのも無かったです。「察しろ」ってか。

 

とはいえ僕が買わなければ誰も買ってくれないのではないか。
森渉が金田朋子と結婚した理由みたいな思いで第二の人生を歩ませたいとこの子を選びました。

 

 

横にくっつける板は1枚500円くらいのベニヤ板です。
弦を支えるわけではないので耐久力とかは大丈夫でしょう。たぶん。

 

2. 制作

動画ではご丁寧にすべての工程が撮影されていたのでそれを参考にしました。

しかし、困ったことに相手はプロですから道具が全然違いました。

 

 

 

 

僕はただの無課金ユーザーです。
あと手際がすごくいい。完全にプロの仕事です。

 

とはいえすべて手作業は無理ゲーです。なんとか電動を使いたい。

 

しかし、持っているのは小型の電動ドライバーのみ。

 

(ベースの部品はネジで留められているので安いので良いから電動ドライバーを1つ持っておいた方が作業が格段に楽です。)


そこでホームセンターの工具レンタルでまかなうことにしました。
ライターの無い時代我らの先祖は摩擦で火を起こしていたんだ。
頭を使おう。

分解して塗装を落とします。

 

部品はケースに入れないと絶対になくしますのでそうしましょう。
あと配線もメモしておくと吉。

 

 

塗装は割れてるところに爪をひっかけたら取れました。

 

 

へこんでるところにはウッドパテを塗ります。

 

f:id:iroenpitsu_mameta:20190430154114p:plain

塗装をはがしたら四角く切り出します。
テーブルソーはもちろん無いのでレンタルしたジグソーで切ります。

 

テーブルソーほどまっすぐではないですが許容範囲です。

f:id:iroenpitsu_mameta:20190430154620p:plain

ヘッドも形を整えます。
次にベニヤ板もこの子と同じ厚さになるようにタイトボンドでつなぎます。

 

 

100均のクリップ式スランプでも大丈夫でした。

 

設計図兼型紙も描きます。
左右対称になるように頑張りました。

 

 

本体の子を四角く切ったことで配線を入れるスペースが無くなったしまったのでザグリます。
新しくカバー作るのめんどいので元の形のままにします。

 

深さを均一にするためにマスキングテープで印をつけました。

 

微妙な段差は彫刻刀で仕上げます。
ぶっちゃけ工具はレンタルできるんですができる限り安く済ませたいので。

 

この子の本体とベニヤ板をくっつけます。
でっけぇクランプは無いんでビニールテープをギチギチにして固定します。

失敗したくない人はちゃんとクランプを使いましょう。

 

くっついたら型紙を敷いて切る部分をマーキングします。

 

マーキングが終わったら切り出します。
ちょっと足らなかったので端っこを切ってくっつけます。

 

それでは勇気を出して切りましょう。
本来糸のこ盤でやるところですがここもジグソーでやります。

 

ガガガ

ガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ……………………

 

 

 

 

剥がれました。

 

おいおいおいおい。
せっかく付けた片腕が……………………


ですが逆に切りやすくなりました。
これがほんとの「ケガの功名」ですね。

 


切り終わりました。
それっぽくなってきてドキドキしますね!

 

次に刃の部分を作ります。
動画の方では天板を斜めにして切ってました。

 

 

https://youtu.be/vR4T_RHaj8k?t=225
絶対便利やんこんなの。

ジグソーも斜め切りは出来るんですがガタついてしまって真っすぐ切るのは難しいです。
ちょうど真ん中が頂点になるようにしたい……………………
うーん……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが僕の答えです。
作業台をひっくり返して100均のクランプで固定して側面の部分を切り出しました。頭が悪すぎる。
こうすれば確実に真ん中に頂点が来る!
ただもう片方がめっちゃ切りづらい(危険)なのでマネしないでください。

 

刃の部分に傷をつけます。
原作の形を参考にセンス良く……………………

 

 

こうして何とか切る作業はすべて終わりました。
最後にポッドのノブを出すための穴とシールドをつなげる穴をあけて完了です。

 

もっと見やすい写真にすればよかったのですが疲れすぎて写真を全然撮らなかったためロクな写真がありませんでした。反省。

剥がれたやつをもう一度しっかりと接着します。


あと隙間にもパテを塗って塞ぎます。

 

深い部分にはエポキシパテを詰めときます。

 

 

粘土みたいにペタペタ張り付けます。
今更ですがこの写真見てて「もっときれいに貼れよ」って思いました。

 

パテが乾いたらサンダーで平らにします。

 

 

これにてボディの完成です。疲れた。

 

 

ちょっとがたつくところもありますが初めてにしてはいい方ではないでしょうか。着々と理想の姿に近づいています。
かわいい。

 

3. 塗装

いよいよ塗装です。
塗装ヴァージンなのでドキドキします。

こうゆうときもインターネットの力を借りましょう。
以下の動画を参考にしました。

www.youtube.com

 
※塗装をする際は防毒マスク等適切な対策をすることを推奨します。
 
 

まずは下地を塗ります。


最初に木工プライマーを吹きかけます。

 

 

これを吹きかけて木が塗料を吸い込ませないようにします。

 

ネックも塗装するので指板にマスキングしてから吹きかけましょう。

 

一晩~1日程度乾かします。

 

次にサンディングシーラーを塗ります。
用途的には木工プライマーとほぼ同じですが念には念をで。

原液は粘度が高いのでラッカーうすめ液でゆるくしてから塗りましょう。


乾いたらちょっとデコボコしますのでやすり掛けで平らにしましょう。

 

電動じゃないのって?サンダーはって?
レンタル期間終わったんで無いです。
また借りるとお金かかるのでしません。

 

次に下地となるプラサフ(白)を吹きかけます
車用ですが大丈夫でしょう。

 

全面的に吹きかけたらへこんでいる部分が分かるのでそこにパテを塗り塞ぎます。

 

下地がツルツルになるようにやすり掛けをします。

これをある程度の厚みができなだらかになるまで繰り返します。

 

下地が完成したら塗装していきます。
今回はスプレーではなくハケ塗りでやりたいと思います。

 

赤と黒を用意しました。

 

なぜスプレーじゃないかと言いますとネックの色が暗い赤でスプレーでは出せない色だからです。
あとヘッドに黒で模様描くのでこっちの方が都合がいいんです。

 

まずはボディから塗っていきたいと思います。
少量取り出してラッカーうすめ液で伸ばして塗ります。

 

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刃の部分(マスキングしました)以外を塗ったら乾かします。
次はネックを塗ります。

 

f:id:iroenpitsu_mameta:20190430211659p:plain

ネックは先ほども説明した通りボディよりも暗い赤にするため
赤:黒=6:1(感覚だからあんま正確ではありませんが)
くらいに混ぜて塗りました。

 

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塗装が乾いたら耐水の紙やすりで磨きます。
これをツルツルになるまで数回繰り返します。

 

次は刃の部分の塗装……………………
なんですが、少し悩みどころでして……………………

実はざっくりいうとマーセリンベースのデザインは2種類あるんですよね。

 

 

刃が灰色(シルバー?)のタイプと

 

 

暗い赤(ネックと同じ色)のタイプです。

僕の記憶が正しければ灰色→暗い赤という感じにデザインがマイナーチェンジしてた気がして現行デザインなら暗い赤にすべきなんですがうーん……………………
好み的には灰色なんですよね、暗い赤目立たないし……………………

 

 

 

 

 

 

 

灰色にします。
コスプレ道具含めて実際にマーセリンベース作った人の中には灰色にしている人もいたので大丈夫かなと。
みんなで渡れば怖くない……たぶん……

ボディにかからないようマスキング(?)して吹きかけます。
雑すぎるだろ当時の僕。

 

 

 

 

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ほーらダメダメじゃん、ばーかばーか。
ボディに灰色付いちゃってやんの。
改めて赤を塗り直して乾かしました。

 

ついでにピックアップも灰色にします。

遠目から見たらシルバー!!!

最後に傷の部分に黒を塗ります。

 

色を付ける工程は以上です。
次の工程に進むまでにしっかりと乾かします。
大体1週間くらい放置しました。

 

最後にクリア(透明)のラッカースプレーを全体的に吹きかけます。

 

また3日間くらい乾燥させて軽く研磨したらボディは完成です。

 

じゃーん。
ますますかわいくなりました。

 

ヘッドに黒でバッテン印を描きます。
ネックもボディと同じ工程を経て完成です。

 

ボディとネックを乾燥させている間にペグやブリッジなどの金属部品をコンパウンドを使ってキレイにします。

 

ブリッジの裏側にはこんなにサビが……………………
最初に見たときはめっちゃビビりました。

 

だけど!
コンパウンドで磨けばこんなにひどいサビでも~

 

 

 

 

 

なんで表面写しちゃうんだよ!!!!!!
ここでAfter載せるべきだろ!!!!!!
写真もボケてんじゃねぇかよ!!!!!!
馬鹿じゃねぇの俺!!!???

 

 

 

 

↑ちなみにキレイに撮ったの

 

ガバガバが出たところで組み立ての準備が出来ました。

 

4. 組み立て


いよいよ組み立てです。
形になるのでワクワクします。

 

しかし、ここでアクシデント発生。
ボディにネックが入りません。

(頑張って入れようとしながら写真を撮ったためめっちゃブレている図)
恐らくネックポケットの右側に木を足したせいだと思われます。
全然入りません。

 

仕方ないので彫刻刀を使って広げました。

 

 

何とかハマりました。
少し塗装が剥がれましたが見えないところなので大丈夫でしょう。たぶん。

 

配線をあらかじめメモしておいた紙を見ながらもとに戻します。

中学生ぶりのはんだ付けで結構手こずりました。

足りない部品や錆びているネジを交換します。

 

ちゃんとFERNANDESのやつ買いました。
あともう一つ大事な部品を。

 

化粧品の箱に入れられてきたのは…………

 

ストラップピンに取り付けるやつです。

 

ここのとんがってる部分です。
何気にこれを探すのが一番大変でした。
もともと車のナンバープレートに取り付けるやつらしいです。
そんなの見たことないですけど。

 

もともとギターパーツではないのでネジ穴がとても広いです。

 


どうしましょう……………………

 

 

 

 

……………………と思ってましたが奇跡的にストラップピンがピッタリとハマりました。やった。
瞬間接着剤で合体させて取り付けました。

 

最後に弦を張って完成です。 

ホントはFERNANDESの弦が良かったんですが無かったんでAriaProⅡで代用。

 

 

5. 完成


ついにこの時が来ました。
制作期間約2ヶ月。
限られた予算、道具、材料を駆使して作り上げた一本。

 

始めは見るに堪えないような正しく「ジャンク」の名にふさわしい哀れな子でありました。

 

 それが素人ながら頑張った結果……………………

 

 

 

 

ジャーン!!!!!!!!

いかがでしょうか。
初めての改造と塗装なので至らぬところもあるかと思いますが悪ふざけ一切なしで作り上げました。

 

ところどころ違いはありますがだいぶ寄せられたのではないかと思います。

 

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 ↑ビジュアル用に外に出て撮った写真です

 

徹底的に可愛がりたいと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

また次回のジャンク改造でお会いしましょう。