いろえんぴつの日記

絶対に毎日更新ができないブログです。

【探し人】こんな芸人探してます

夢というものはとても不思議なものでして、あり得ない状況を生み出したり、何か予知したりと聞けば興味深い話ばかり。

 

夢と聞いて僕がまず思い浮かぶのはフロイトの「夢判断」です。

別に意識高いとかじゃなくて自分が哲学科なのとパプリカが好きだからです。

 

 

フロイト曰く夢というのは

 

「自分のエッチな考えの現れだよ」

 

というもので、夢に出てくるものとかは全部エッチなものだそうです。

例:細長いものはオチン〇ンである

 

やんやねんそれ…………って感じですが平たく言うと「自分の抑圧された願望」が現れ出たものが夢だそうです。

パプリカの中にもこのような下りが出てきました(たぶん)

科学的に考えると

 

情報処理に伴ったノイズと考えるのが適当でしょう。記憶の断片がアトランダムに現れてくる、奇想天外なストーリーが多いのも、そのためです。とにかく、その人がどんな夢を見ているかは外からわからない。実験や調査がとても難しいから、詳しいことはわからないんですね。ただ、不安だとかうれしいとか、感情にかかわるもの、とくに怖い夢を見るケースが多いことは確かです。ちなみに寝ている間、ずっと見ているわけではなく、後ほどお話するレム睡眠のとき主に夢を見ています。

(引用元:なぜ人は眠るのか、夢はなぜ見るのか。謎だらけの睡眠の正体に最新科学で迫る(金沢大学・櫻井武教授)2013/1/18 | WAOサイエンスパーク

 

 といった感じで自身の記憶から成り立つようです。

 

哲学と科学の両方を踏まえて考えるとやはり「一度経験したこと、したいこと」が影響するようですね…………

 

 

 

でも、僕にはいつまでもモヤモヤする夢があるんです。

僕はお笑いが好きで吉本の大型劇場から新宿ゴールデン街劇場のような小さな会場まで見に行くことが多いです。

そこではテレビで活躍する有名芸人から見たことのない地下芸人までたくさんの芸人さんたちを目にします。

 

そんなある夜、僕はある夢を見ました。

僕はとある劇場内にいました。

薄暗い座席には僕1人だけ、ステージは赤いカーテンを背景に照明が茶色い木でできた床を照らしていました。

学校の体育館のステージに似たような、どちらかと言えば「あらびき団」のステージのカメラが設置されているであろう位置に座席がありました。

 

一体何が行われるんだ、何かヒントは得られないかとステージを見渡してみると文字が書かれた横断幕が。

タイトルかなと見てみると…………

 

「シュール芸王決定戦」

 

おー…………

クオリティによっては地獄を見ることになる企画だ。

最近なら野性爆弾のくっきーや永野といった芸人が最前線で活躍できるようになったがそれは10年、20年と培ってきた感性を少しずつ、少しずつ磨くように修正して作り上げた渾身の芸なのです。

その修正やたるや非常に厳しく孤独な戦いであったでしょう。

「シュール」と「面白くない」は表裏一体、紙一重なのです。

たった数年お笑いに携わった芸人や、いつまでもくすぶって成長の兆しの見えない地価芸人がたやすく踏み入れてはならない場所なのです。

 

ひと時の不安もつかの間、気づいたら本編が始まっていました。

1人の芸人が雅楽のようなBGMとともにゆっくりと一歩一歩踏みしめて歩いてきました。

ようやく全身がみられましたが

といった感じでした。
そしてその内容は雅楽のBGMに合わせて両手の桜をゆらゆらとさせながらゆっくりと舞を行うことでありました。

その間言葉は一言も発さずに…………

 

 

 

「絵に描いたような地獄。」

それが真っ先に浮かんだ僕の感想でした。

水着姿に桜の木の枝、このミスマッチ感に彼は「シュール」というものを見出したのかもしれませんがまったくもって面白くはありません。

ただの「異様」では笑いになりません。

僕が面白いとするくっきーの白塗り芸ならば誇張したメイク、「異様」であるもののどこか特徴を捉えた「秀逸さ」があるため笑いになると考えてます。

逆に名前も知らない桜水泳男には「水着」と「桜」という何も珍しさがない要素を組み合わせただけです。

 

更に言えばBGMの雅楽も最悪です。

笑いのメカニズムは「緊張と緩和」と前にも書きましたが、雅楽というのは伝統、高貴といった「緊張」そのもの。

しかし、彼のように雅楽に動きを合わせてしまうとなると「緩和」の要素は無くなるのでずっと「緊張」した状態が続きます、故に笑いは生まれません。

 仮にハキハキとした動きをしようにも雅楽はリズムがとりにくいのでそうはいかないでしょう。

永野のラッセンが好きなら裏拍子のアップテンポながら膝と手の動きが乱れておらず本題に入る際もそのまま気持ちよく行ける、まったくもってBGMが邪魔しない完成された芸なのです。

 

やること全てが間違っているような「シュール芸」でした。

あまりに地獄だったのか体感時間は1分も満たないで終わってました。

そして暗転したところついに僕が心奪われた芸人が登場しました。

 

以下が見た目です。

  • 大柄なデブ、相撲取りほどのウエストではあるが胸がたるんでいたので筋肉ではなく脂肪の割合が高いのかと思われます。
  • 髪型はおかっぱでメガネをかけていて、ガリガリガリクソンに無精ひげが生えている感じの人でした。
  • 服装は黒のブーメランパンツのみ、ハリウッドザコシショウを思い浮かべていただけたらと。
  • 身体はツルツルでムダ毛は無くキレイ

こんな感じです。

 

ここまでかなり本気で受けを狙いに来たなという印象でした。

僕に軽く一礼した後スタンバイにつきました。

休日のお父さんがくつろいでいる涅槃ようなスタイルで横になりました。

そしてBGMが流れ始め…………

 

 

ん?

 

 

これは……………………

 

 

 

カノンだ……………………
パッヘルベルのカノンだ……………………

(ここから先皆さんもカノンをBGMにして読んでみるともっと楽しめるかもしれません)

 

 

 

またしても粛々としたBGMのチョイス……………………

雅楽の悲劇再びかと思った矢先

 

 

「ワニの赤ちゃんだよ~」

 

へ?とあっけにとられる僕をよそに男はセリフを繰り返していました。

 

するとまた今度は横になったまま脚を開けたり閉じたり、開けたり閉じたりとマンガのおかんがテレビを前にやっている運動のようなことをし始めました。

そしてまた……………………

 

「ワニの赤ちゃんだよ~」

 

と繰り返しました。

彼はただひたすらに開け閉めを続けて「ワニの赤ちゃんだよ~」というばかり
おそらくその足がワニの赤ちゃんの口なのでしょう。
もはや僕もそれにしか見えなくなりました。
森の絵があって枝々の隙間がうさぎの形に見えたとき、今までの観ていた森の絵は消え去りウサギのいる森の絵にしか見えなくなったかのように。
しかし彼はそれだけに留まりません。

 

「ワニの赤ちゃんはね~強いんだぞ~」

 


と台詞が変わりました。
その言葉には少年のような無邪気さを含んでいました。
『カノン』の「サビ」に差し掛かろうとしたとき


「それじゃいくよ~せ~のっ!」


威勢のいい掛け声がかかると彼は4拍子のリズムで開け閉めを始めた。
それはまるでメトロノームが動いているかのように一切乱れのない動きであった。
彼はもうカノンを自分の物に、いや、カノンと一体化していた。

僕は驚きおののき愕然とするしかありませんでした。
普通なら大爆笑をするところですが芸があまりにも完成されるとただ呆然とするしかないことを知りました。

 

そう思っているうちに目が覚めてしまいました。
彼の芸を最後まで見ることが出来ませんでした。
変な夢だなと思いつつも3日、4日たってもあのスマイルを忘れることは出来ませんでした。
ダメもとで母親や友人にこのような芸人がいないか聞いてみてももちろん知る由もなく、むしろ「お前は何を言ってるんだ」と狂人圧化されてしまいました。

 

まあ、そこまで芸人に詳しいわけではないため全然いいんです。
そこで僕はGoogle先生に頼ることに。
「ワニの赤ちゃん 芸人」「ワニの赤ちゃん カノン」「ワニの赤ちゃん 前衛 ダンス」と多くの検索をかけても手ごたえなし、「シュール芸決定戦」もダメでした。

 

どうしましょう、完全に万策尽きました。
果たしてあの夢は本当に僕の記憶なのか。
本当に彼らは存在しているのか。
あの舞台は何だったのか。

 

この記事を読んでいる方の中で何かご存知ではないでしょうか。
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